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パソコンを使わない「ネットワーク読書端末」の実証実験スタート

2006年10月27日

共同での実証実験です!

シナノケンシは、日本点字図書館と日本ライトハウスと共同で、「視覚障害者の方が、インターネット配信の録音図書を、365日24時間、パソコンを使わなくても手軽に楽しめるネットワーク読書端末」の実用化を目指した実証実験を行います。(2006年10月末~12月末)

その背景は?

すでに日本点字図書館と日本ライトハウスでは、パソコンをベースにした録音図書のネット配信サービス「びぶりおネット」の運用を始めていますが、パソコンを利用できる視覚障害者がきわめて少ないことが普及のネックとなっています。そのため、録音図書のネット配信サービスを、パソコンを使わなくても簡単に、より多くの方が利用できる環境が整えられることが望まれています。

目的と具体的な内容は?

今回、この実証実験では、開発中のインターネット対応の録音図書再生機(ネットワーク読書端末)の基本機能や使い勝手、さらに図書検索サービスの実用性を確かめることを目的にしています。
具体的には、図書コンテンツが蓄積された「びぶりおネット」のサーバーのほかに、管理・保守・検索などを行う実証実験用サーバーをシナノケンシ内に仮設置し、約10名のモニターにご協力いただき、約2ヶ月間の実証実験を行います。

ネットワーク読書端末の特徴は?

開発中のネットワーク読書端末は、利便性を高めた次世代型のデイジー方式の小型再生プレーヤーで、次のような特徴を持っています。
パソコンを使用しないで、簡単なネットワーク読書端末だけで利用できる。
技術的には、視覚障害者が自分で365日24時間、図書館のサーバー内の録音図書かインターネット回線を経て自分で検索し、いつでも聴けるようになる。
電話で図書館に希望する本を依頼し、インターネットで送ってもらうこともできる。
無線接続(無線LAN機能)も備えているため、設定すれば、家庭内で居間や寝室など読書する場所の制約がない。

こうした実証実験によって、実用化に向けた条件を確かめ、実用化試験の結果も反映させながら、製品開発やサービス体制の整備を進め、2007年後半以降の製品化を目指しております。

詳細は、下記の≪プレスリリース内容≫をご覧ください。

プレスリリース内容

視覚障害者向け、パソコンを使わずに利用できる
インターネット配信対応のデジタル録音図書読書機
実用化に向けた実証実験開始

シナノケンシ株式会社(社長 金子元昭、本社 長野県上田市)では、視覚障害者が録音図書などを読むための、インターネット配信に対応するデジタル録音図書読書機(パソコンを使わないネットワーク読書端末)の実用化をめざす実証実験を10月末から、社会福祉法人日本点字図書館(理事長 田中徹二、東京都新宿区)と社会福祉法人日本ライトハウス(理事長 木塚 泰弘、大阪市中央区)と共同で開始いたします。

発表要旨

≪背景≫
シナノケンシは、視覚障害者向けのデジタル録音図書の国際標準「DAISY(デイジー)」に対応したCD録音図書再生プレーヤー「プレクストーク」を開発し、その製品はデジタル録音図書の普及とともに世界の視覚障害者に広く利用されております。
現在、視覚障害者が利用できる録音図書は、カセットテープから「DAISY(デイジー)」を使ったCDへと移っていますが、さらに、日本点字図書館と日本ライトハウスでは、パソコンをベースにした録音図書のネット配信サービス「びぶりおネット」の運用を2004年から始めています。
しかし、パソコンを利用できる視覚障害者がきわめて少ないため、パソコン使用自体が普及のネックとなっており、今後は、録音図書のネット配信サービスを、パソコンを使わなくても簡単に、より多くの方が利用できる環境が整えられることが望まれています。

≪実証実験の内容≫
そこでシナノケンシでは、視覚障害者が録音図書などを読むための、インターネット配信に対応するデジタル録音図書読書機(パソコンを使わないネットワーク読書端末)の実用化をめざす実証実験を、10月末から日本点字図書館と日本ライトハウスと共同で開始いたします。
具体的には、パソコンを使わないネットワーク読書端末の基本機能や使い勝手のほか、貸し出し待ち時間などの制約が解消される図書検索サービスの実用性などを確かめることを目的としています。
図書コンテンツが蓄積された「びぶりおネット」のサーバーのほかに、管理・保守・検索などを行う実証実験用サーバーをシナノケンシ内に仮設置し、約10名のモニターに協力いただき、約2ヶ月の実証実験を行います。
このインターネット対応の録音図書再生機(開発中)は、利便性を高めた次世代型のデイジー方式の小型再生プレーヤーで、次のような特徴を持っています。
パソコンを使用しないで、簡単なネットワーク読書端末だけで利用できる。
技術的には、視覚障害者が自分で365日24時間、図書館のサーバー内の録音図書からインターネット回線を経て自分で検索し、いつでも聴けるようになる。
電話で図書館に希望する本を依頼し、インターネットで送ってもらうこともできる。
無線接続(無線LAN機能)も備えているため、設定すれば、家庭内で居間や寝室など読書する場所の制約がない。
将来的にネット配信サービスが進展することで、貸し出しCDの郵送時間をなくし、情報スピードを上げることができるほか、図書を借りる視覚障害者のプライバシーの保護にもつながります。
製品の実用化は、次の通常国会で予定されている著作権の法改正や実用化試験の結果を反映し来年後半以降を予定しています。

補足

実証実験の予定
期間:2006年10月~12月
目的:基本機能の検証(検索・読書)
コンテンツ:びぶりおネット内のコンテンツ(日本点字図書館・日本ライトハウス)

カセットからCDへデイジー方式デジタル録音図書の特徴
点字図書館や公共図書館からの録音図書貸出も、それまでのカセットテープを使用した方式がデジタル化されたデイジー方式のCDへと変わってきています。通常、図書1冊を録音図書にすれば、カセットテープでは複数巻となるためテープ交換が必要でしたが、デイジー方式ではほとんど全ての図書はCD1枚に収まるようになりました。
さらに目次やページなどで、読みたいところを素早くジャンプすることができる、しおりをつけられる、聞く速度を上げても音質がよいなど、多くの優れた機能を実現し、世界15か国で導入が進んでいます。
シナノケンシはデイジー方式に対応したCD録音図書再生プレーヤー「プレクストーク」普及タイプと録音ができる高機能タイプを開発し、世界に販売しています。日本国内では、点字図書館でもデイジー方式の録音図書の蔵書も増え、厚生労働省は、プレクストークを2004年に日常生活用具に指定。視覚障害者が購入時の助成金を受けることが可能となり、普及に弾みがついてきています。

用語の説明

「DAISY(デイジー)」とは
デジタル録音図書の国際標準で、Digital Accessible Information System 「アクセシブルな情報システム」の略。カセットテープの録音図書の欠点であった情報検索性を画期的に改良。テープでは不可能だった聞きたい箇所をページや見出しで検索できるほか、ほとんどすべての本がCD1枚におさまります。

「PLEXTALK(プレクストーク)」とは
PLEXTALK(プレクストーク)は、DAISY(デイジー)方式のデジタル録音図書を聴いたり、録音したり、編集したりするための、シナノケンシが開発したデジタル録音図書の録音・再生機です。最大3倍速の早聞きでも聞きやすい音質を実現、持ち運びやすい小型機として、世界中でご愛用いただいています。

デジタル録音図書のネット配信サービス 「びぶりおネット」とは
日本点字図書館と日本ライトハウスが運用する「録音図書ネットワーク配信システム」。視覚障害者の方が、必要な時に必要な録音図書を検索、そして中身の一部を聞いた上で、自由に利用できるシステムです。また従来のカセットテープやCD盤を使った貸し出し方式の、制作組数の制約(返却待ち)からの解放も、このサービス事業の目的のひとつです。日本点字図書館と日本ライトハウスがデジタル化をおこなってきた録音図書が、それぞれに設置されたサーバー内に蓄積されています。録音図書読書端末アプリケーションソフト「ネットプレクストーク(Net‐Plextalk)」(シナノケンシが開発)をインストールした自宅パソコンから利用することができます。

◆お問い合わせ先
■この<発表>に関するお問い合わせは、下記までお願い致します。
〒386-0498 長野県上田市上丸子1078
シナノケンシ株式会社 事業支援本部 広報・宣伝チーム 畑 典之
TEL:0268-41-1800(本社)
FAX:0268-43-0010
E-mail:kouhou@skcj.co.jp
URL:http://www.skcj.co.jp(シナノケンシ公式ホームページ)
URL:http://www.plextalk.com/jp(プレクストーク公式ホームページ)

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